
【新商品開発チームインタビュー】飲料の新商品開発はどのように行われるの?
新たな視点からの商品開発
高級感を意識し、オランジェットをイメージした商品を開発しました。
Ⅰ 試飲・商品決定~プレゼン
2015年12月、2016年冬の発売に向けてオリジナルカップ飲料の
開発プロジェクトが始動しました。
集まったメンバーは、20~30代の社員3名。(以下、A,B,C)
若い世代が商品開発に挑戦することで、今までに無い商品を生み出そう
というプロジェクトです。
まずは、様々なホットドリンクを飲み、市場調査を行いました。
近年、高まりつつある高級志向に対応でき、老若男女に喜んでもらえる商品を軸に考えました。
その中で思いついたのが、”贅沢なスイーツを飲み物で表現できないだろうか”ということです。
辿り着いたのが、”オランジェット”と言うお菓子でした。
オランジェットは、フランスで生まれた、砂糖漬けの柑橘類の皮(ピール)を
チョコレートで包んだお菓子です。
お洒落なスイーツが好きな女性にはもちろん、甘すぎないお菓子なので、
男性にもきっと喜んでもらえるのではないかと思いました。
そして、生まれたのが「オレンジショコラ」でした。
商品決定後は、開発経緯や商品の魅力について社内プレゼンを行いました。
Ⅱ 試作品作成
社内の了承が得られたら、いよいよメーカーさんとの打合せが始まりました。
まずは私達がイメージした飲料を実際にメーカーさんにパウダーで作成頂き、試飲を行いました。
毎回2~3パターンほどの試作品を飲み比べ、商品のイメージに近づけるため要望をお伝えしました。
「飴っぽいオレンジの香りを抑え、ほろ苦いオレンジのピール感を出してほしい」などの
細かい要望に応えて頂き、都度修正、次につなげる形で進めました。
合計5回程の試飲会でのやり取りを繰り返し、最初のイメージに最も近い商品に決定しました。
Ⅲ フレーバーカード作成
次に、カップ自販機のパッケージであるフレーバーカードを作成します。
フレーバーカードは、商品を買う前に一番お客様の目に入るもので、購買意欲を左右するものです。
いかに私たちの商品のイメージが伝えられるかが重要です。
まず3人が各々イラストを描き、その中からイメージに合うもの選んだ後は、
メーカーさんとの打ち合わせをします。業者さんに手描きのものからカードを作って頂きました。
そこから私たちが修正をお願いします。
ただ細かいところまでこだわったので、何度もメーカーさんとやり取りを繰り返しました。
その分、オレンジショコラのイメージ、“贅沢で大人なスイーツ感”と
“お菓子のオランジェットを再現すること”をより想像させる様なカードが出来上がりました。
また業者さんの提案により、自動販売機につけるPOPもデザインしました。
こちらも、Bさんが描いた似顔絵のイラストをメーカーさんに綺麗にまとめて頂きました。
以上の様な流れで商品が出来上がり、2016年11月に私たちの商品は発売されました。
作成者インタビュー
どれくらい時間が掛かりましたか?
B:プロジェクトのキックオフが、2015年12月で実際に発売されたのが2016年11月でしたので、
一年間はかかりました。
A:そうですね。味の決定や資材のデザインにこだわり、何度も打ち合わせを重ねたため、
想像よりも時間が掛かりましたが、楽しみながら出来たので、あっという間に感じました。
C:一年後に発売する商品を開発すると聞いたときは、まだ先のことだと思っていましたが、
とても時間がかかる作業なんだと分かりました。
大変だったことは?
A:全く形の無いものを一から作り上げていくのは大変でした。
B:すべて自分たちで決定出来るという楽しみと同時に、商品の味もお客様の目を引く
フレーバーカードを作る事も自分達次第というのが少しプレッシャーでした。
C:試飲を進めていく中で細かいニュアンスを伝える事も難しかったです。
「もう少し人工的な香りを抑えてほしい」「あとちょっと味を濃い目で・・」など感覚で
お伝えすることも多く、うまく意図を汲んで頂けるか少し心配でしたが、
次回にきちんと修正頂けていてその度に安心していました。
A:デザインがだいぶ進んだ時点で、当初考えていた商品名が登録上使えないと分かり、
慌てて商品名を変更したこともありました。
工夫したことは?
B:「新商品開発」ということだったので、他の商品との差別化を目指しました。
C:今までに無い商品ということはもちろん、より目に留まりやすいように自動販売機に
貼る私達のイラストのデザインを提案しました。
A:プロジェクトメンバーのBさんが得意なイラストで原画を描いてくれて、
ほぼイメージ通りにかわいいPOPが作成出来ました。
C:女性社員が考えた「新しいドリンク」というイメージにぴったりでお気に入りです!
B:デザインやイラストに関しても妥協せずに何度も細かく修正を行い、
自分達が納得いくものを作ったというのが一番なのかもしれません。
楽しかった事はなんですか?
A:今までやったことのない商品開発をする事、ドリンクのアイデアを考えることが楽しかったです。
C:自分たちの意見が商品に反映されていく事です。
B:確かに私たちは自由にやらせてもらいましたね。ほとんどを私たちが決めました。
あと私たちは部署が違うので、このプロジェクトをやる事によって、仲が深まり楽しかったです。
やりがいを感じたときはどんなときですか?
C:ドリンクが理想に近づいているときです。
B:商品はパッケージが大事なので、フレーバーカードとPOPのデザインに取り組むときです。
A:私たち3人に冬のドリンクの商品開発を任されたときに、とてもやりがいと責任感を感じました。